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枠廻り詳細図

ガサガサガサ。
夫「ちょっと何してんの?」
私「いや、その、ちょっと製図板を出そうと・・」
夫「今回CADで描いたんちゃうの?」
私「そやねんけどな・・」
真冬の一こま。 
当事務所では工事監理業務の一環として、枠廻り詳細図を描きます。
その他平面詳細図・家具図等も描くこともあります。

枠廻り詳細図とは主に窓廻りや内部建具廻りの詳細図です。
細かいこの材とこの材はこういう取り合いにしてほしいということを
ミリ単位で指示します。

体感的には大工さんや職人さんの一足先に材料に触れるような、実施設計段階ではどちらかというと目を使ってアウトラインを追う作業なのですが、枠廻り詳細図は材料をすーっとなでるような、これをすると質感レベルのことが体に入ってくる気がします。
そんなわけで、デジタル的なものに邪魔されるのが嫌で図面を手描きしたくなり、製図板をやっぱり出すという一こまでした。
ただ、PCの狭いスクリーンを覗き込むことが嫌になっただけかもしれませんけど。
さて、この枠廻りですが、メインの開口部(窓)は設計の初期から考え始め、監理業務の段階で枠廻り詳細図としてを描きます。
それから、例えば今回施工してくださっている工務店の場合、その詳細図をもとに大工さんと打ち合わせ、監督さんが現場を計測・施工図を作成。
その施工図をもとに材料を加工し、現場へ搬入。それを大工さんが再び枠廻り詳細図を見ながら、おさめる流れになります。 

というように、何重にもわたって検討され、形になっていきます。これだけ労力を注げば、(既製品に比べ値段が)高くなるわけだなぁとつくづく思うのですが、「美は詳細に宿る」というか、通りすぎる場所であれば、ある程度ディティールが雑でも気にならないかもしれないのですが、住宅のように永くじっくり味わう場所はぬかりなくやっておかなければと姿勢をただしています。
 そして、その注いだ労力は長い時間をかけて伝わっていくと思います。
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