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歌う

グーンと空が高くなって秋の空。

あんまり気持ちよくて
大きく息を吸い込んでー。ハイ!

思わず歌うとまわりの空気がふるえて辺りが少し違って見えました。
夏場湿気に邪魔されて届きにくかった声がもう少しまで遠くまで振るわせて返ってくるようでした。
あたりまえのことなのですが、秋になって急に澄んだ空気の中歌ってみると、水面で波紋を作って遊んでいるときのような、空気を動かしているような感覚がして、声を出しては空気がふるえるのを試して、歌うってこういうことなのかなと改めて発見したような気がしました。
普段あれやこれやと、こっちから光を当てて、目線はこれくらいでどうかな‥などなど
建築という大がかりな装置で、思うような空間を作るため、微妙なことに悩んで時間を費やしますが、身一つでもしくは楽器さえあれば、一瞬でまわりの雰囲気を変えてしまう音楽は本当に憧れです。
何か楽しめる程度で良いから、楽器を練習しておけば良かったと思いますが、とりあえず歌う。
夕焼け小焼けの赤とんぼ~♪とか歌っていると、
「お母さんそんな寂しいうた歌わんといてよー」と言われながらも道端で歌い続ける私でした。
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