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永沼理善(さん)展

少し前になってしまったのですが、
「永沼理善(さん)展」に行きました。
以前、永沼さんの作品をお見かけしてから、
 また見たいなぁと思っていたら、展覧会のDMをみつけて癒されにアートスペース虹へ。
ギャラリーに入ると妙なタイミングでリズムを刻みながら動く金属でできた虫(のようの見える)たち。
静かに、けれども休みなく動くそれらから目が離せません。

「自重力シリーズ」と名付けられたシリーズで、物が落下していく力を様々な動きで抵抗をつけバランスをとりながら、限りなくゆっくりのスピードで降りていきます。

歯車やフレームが見えているので、この動きの訳が分かりそうで、必死に謎を解こうとするのですが、
そうそう解らず、予想外なゆらぎみたいなものがあって、とにかく釘づけです。

例えば、古い腕時計の裏を開けて、「埃が入るから早く閉めないと」と思いながらも、
きれいな小さな金属の歯車が確実に動いている様子を見たくて、
ついつい見とれているといつもと違う時間の流れを感じたりしませんか?(そんなことしないかな?)
その感覚と似ているのですが、さらに時計とは違うゆらぎみたいなリズムが入ってきます。

以下のサイトでもその他の作品が少し見ることができますが、
ぜひ動いているところを見てもらいたい作品です。

http://www.wakayama-u.ac.jp/~naganuma/works/vewer-master.html

高い吹き抜けなら結構動きを持続して楽しめるのかな、欲しいなぁと見ていると、
ラッキーなことに、永沼さんがいらしたので、お話をお伺いしました。

モーターなど色々な動力を試して、今は自然界の力を利用したローテクな作品作りを
お考えだそうです。
私が感じたような、作品が見せる仕草は自然界の片鱗の現れであり、
それを見つめることで、自分が今ここに存在していることを感じ、
私たちの取り巻くものも見つめることにもなる。とのことでした。

建築でもこういう憧れみたいなものがあって、建物は持ち運べるわけではないので、
すでにある回りの自然をもう少し顕在化することにより、そこにいる人がそれに気づき、
気持ちよく過ごしてもらいたいなと試行錯誤するので、何となく似てるなと思いました。

あとお話の中で面白かったのは、「私も学生時代に金属の歯車とアクリルやらを使って、
自転車式シャボン玉機を作ったことあるんです。」とお話ししたら、
「そういうどうでも良いことを全力でするの好きですよ!」と言って下さったことに、
「確かに!」とハッとして、細かいことは忘れたのですが、色々計算して、
自転車の動力という大きい力を減速に減速を重ねて、シャボン玉にちょうど良いやさしい力に
変える必要があったような気がして、普段からそういうことをお考えなので、
その効率の悪さにすぐ気づかれたんだろうなとと思い、
「自転車を必死にこいでちょっとシャボン玉が出て、回りの人に喜んでもらえて嬉しい」、
何というか、「のれんに腕押し」みたいな、私ってそういうところあるなと、
何だか見透かされたようで、ニヤニヤしながら帰るのでした。
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